受験ガイド

試験に出る白書・調査・報告書の要点

学科試験では、毎回9問ほどが、白書・調査・報告書の中身から出ます。第30〜32回の試験と、2級キャリアコンサルティング技能検定(第35・36回)で実際に問われた内容を、資料ごとにまとめました。

更新日: 2026年10月2日

モヤン(黄色い帽子をかぶった雲。学び直し中の相棒) モヤン

白書って、何百ページもあるんでしょ……。ぜんぶ読むのは無理だよ。

サニー先生(丸眼鏡のレモンイエローの太陽) サニー先生

ぜんぶ読まなくて大丈夫。まずは「実際に問われたところ」から押さえよう。そのあとで、最新版の概要だけ目を通せば十分だよ。

このページの使い方

  • それぞれの文は、試験で適切とされた内容を、言い換えてまとめたものです。過去問の文章そのものではありません。
  • ひっかけとあるものは、試験で不適切とされた記述と、その正しい内容です。
  • 数字は年ごとに変わります。受験する回の最新版は、必ず公式の概要で確かめてください。

労働経済の分析(労働経済白書)

厚生労働省が毎年公表。その年のテーマと、雇用・賃金の動きが出ます。

  • 「令和6年版 労働経済の分析」によると、無業者のうち求職者を求職期間別にみると、「1年以上」と「1か月未満」が多く、求職の状況が二極化している可能性がある。
  • 「令和6年版 労働経済の分析」によると、2023年の女性の非労働力人口のうち、働く希望はあるが求職活動をしていない就業希望者の数は、完全失業者の数より多い。
  • 「令和6年版 労働経済の分析」によると、外国人は、月額賃金が比較的高い求人や年間休日の多い求人に応募しているが、残業時間が多い求人にも多く応募している。
  • 「令和7年版 労働経済の分析」は、医療・福祉や物流などの社会インフラ関連職について、スキルや経験の蓄積に応じて賃金が上がるしくみが相対的に弱い可能性を指摘している。
  • ひっかけ緩やかです(第32回)。経験を積んでも賃金が上がりにくいことが、人材確保の課題として取り上げられました。
  • 「令和7年版 労働経済の分析」によると、2024年の障害者の雇用者数は、身体障害者・知的障害者・精神障害者のすべてで前年より増加した。
  • 「令和7年版 労働経済の分析」によると、年次有給休暇の取得率は、2015年以降、連続して上昇している。
  • 令和8年版(2026年9月29日公表)の分析テーマは「AI等技術革新が進む中での労働市場の現状と課題」。特定の業務にとどまらない能力を「メタスキル」と呼び、その重要性が高まる可能性を指摘している(厚生労働省の公表資料より)

白書・調査・報告書の1問1答を解く

能力開発基本調査

厚生労働省が毎年実施。企業調査・事業所調査・個人調査の3つ。

  • 令和6年度能力開発基本調査(事業所調査)によると、キャリアコンサルティングを行った効果は、正社員・正社員以外ともに「労働者の仕事への意欲が高まった」が最も多い。
  • 令和6年度能力開発基本調査(個人調査)によると、キャリアに関する相談をする主な相手は、正社員・正社員以外ともに「職場の上司・管理者」が最も多い。
  • ひっかけ最も多いのは「自社」です(2級技能検定 第36回)。
  • 令和5年度能力開発基本調査によると、計画的なOJTは、正社員・正社員以外のどちらに対しても、企業規模が大きくなるほど実施率が高くなる傾向がある。
  • ひっかけ36.8%で、前回より2.4ポイント上昇しています(2級技能検定 第35回で、この記述が不適切とされました)。
  • 令和6年度能力開発基本調査によると、企業がOFF-JTに支出した費用の労働者一人当たり平均額は、年1.5万円である。
  • 令和7年度調査(2026年7月31日公表):キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所は、正社員に対して48.4%、正社員以外に対して30.1%。令和6年度は49.4%と31.4%(厚生労働省の公表資料より)

白書・調査・報告書の1問1答を解く

厚生労働白書・男女共同参画白書など

こころの健康、働き方、育児・介護に関する記述が出ます。

  • 「男女共同参画白書 令和6年版」によると、未就学児の育児をしながら家族の介護をしている人(ダブルケアをしている人)は、2022年には、男女とも無業者より有業者のほうが多い。
  • 「令和7年版 男女共同参画白書」によると、週の就業時間が60時間以上の雇用者の割合は、2014年に比べて低下している。
  • 「令和6年版 厚生労働白書」は、ストレスを、外部からの刺激(ストレッサー)によって心身に生じる反応(ストレス反応)のこととし、両方を合わせてストレスと呼ぶこともある、と説明している。
  • ひっかけ第30回で不適切とされた記述です。ストレス学説を唱えたのは、セリエです。
  • ひっかけ逆です(第31回)。結晶性の知能は保たれやすく、流動性の知能は衰えやすいとされています。
  • 出産した女性の約3〜5割が経験するマタニティブルーズは一過性のものと考えられているが、症状が長引くと産後うつに移行することがある。
  • 「令和6年版 厚生労働白書」によると、労働時間が長くなるにつれて、うつ病・不安障害の疑いがある人の割合が増加する傾向がある。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

キャリアコンサルタントに関する報告書

厚生労働省の検討会・研究会の報告書。役割への期待や、求められる能力が出ます。

  • 「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」(令和3年)は、キャリアコンサルタントに、「働くことについての相談相手」として機能し、キャリア自律の推進役を務めることを期待している。
  • ひっかけ第30回で不適切とされた記述です。取組が細切れになりがちなので、連続的・長期的な支援として一本につなぐことが期待されています(第32回)。
  • 「働く環境の変化に対応できるキャリアコンサルタントに関する報告書」(令和3年)によると、若年層は高年齢層よりキャリアコンサルティングの経験が多く、認知を高めるには、特に中高年齢層を意識した支援が必要である。
  • 「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会報告書」(令和8年1月)は、AIが示す情報の正確性や妥当性を見極め、倫理面の問題が生じない形でAIを支援ツールとして活用する能力を求めている。
  • 「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会報告書」(令和8年1月)は、企業領域で必要な能力として、セルフ・キャリアドック導入のメリットについて企業の理解を促し、導入・活用に向けて働きかける能力を挙げている。
  • ひっかけ第30回で不適切とされた記述です。組織への働きかけも役割に含まれます。スーパービジョンを受けるときは、スーパーバイザーの専門領域にも着目します。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

職業能力開発基本計画・人材開発の報告書

第11次・第12次計画と、人材開発政策の報告書。

  • 第11次職業能力開発基本計画(令和3年)は、キャリアコンサルティングの推進には産業界・企業の理解が不可欠であり、その理解を促す取組を推進するとしている。
  • ひっかけ2級技能検定(第35回)で不適切とされた記述です。面談で得た知見を、企業の制度や運用に活かすことも重要とされています。
  • 「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書」(令和7年)は、企業が個人のキャリア形成を伴走して支援するには職場の上司の役割が重要で、キャリアコンサルタントが上司のキャリア相談を支える体制づくりが求められるとしている。
  • 第12次職業能力開発基本計画(2026年3月31日策定)の計画期間は、令和8年度から令和12年度までの5年間(厚生労働省の公表資料より)

白書・調査・報告書の1問1答を解く

企業のキャリア形成支援に関する資料

セルフ・キャリアドック、学び直しガイドライン、人材版伊藤レポートなど。

  • 「セルフ・キャリアドック導入の方針と展開」(2017年)によると、キャリアコンサルタントは、従業員の職業生活の設計と能力開発を支援するとともに、それが組織の活性化につながるという視点を持つことも必要である。
  • ひっかけ2級技能検定(第36回)で不適切とされた記述です。セルフ・キャリアドックは、従業員の主体的なキャリア開発を支える、企業の人材育成のしくみです。
  • 「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」(令和4年)は、管理職などの現場のリーダーに、個々の労働者と学び・学び直しの方向性や目標を擦り合わせることを求めている。
  • 「人材版伊藤レポート2.0」(2022年)は、リスキルに挑戦できる機会をつくるため、労働時間の一定割合を学びに充てる時間として確保することが重要だとしている。
  • ひっかけ2級技能検定(第35回)で不適切とされた記述です。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

学校教育に関する資料

学習指導要領、生徒指導提要、インターンシップの考え方など。

  • 高等学校学習指導要領(平成30年)の総則は、ガイダンスとカウンセリングの双方により、生徒の発達を支援することとしている。
  • ひっかけ「特別活動を要としつつ」です(第31回)。この入れ替えは定番のひっかけです。
  • 高等学校学習指導要領(平成30年)で、横断的・総合的な学習を通して、自己の在り方生き方を考えながら課題を発見し解決する資質・能力の育成を目指すのは、「総合的な探究の時間」である。
  • ひっかけ第30回で不適切とされた記述です。両者は深い関係にあり、キャリア教育の中に進路指導が含まれるとされています。
  • インターンシップに関する三省合意(令和4年一部改正)では、学生のキャリア形成支援の取組が4つのタイプに整理され、このうち「インターンシップ」と称されるのは、タイプ3とタイプ4である。
  • 中学校や高等学校は、厚生労働大臣に届け出たうえで、職業安定機関の指導・援助を受けながら、無料で職業紹介事業を行うことができる。
  • 基礎的・汎用的能力のうち「課題対応能力」とは、仕事をするうえでのさまざまな課題を発見・分析し、適切な計画を立てて処理し、解決する力のことである。
  • 専門職大学では、理論に精通した研究者と、各業界の現場経験を持つ実務家の、両方の教員から授業を受けられる。
  • 中央教育審議会の答申(2019年)は、進路指導について、教師の業務ではあるが、負担軽減が可能な業務と位置づけている。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

そのほかの調査・白書

JILPT、内閣府、文部科学省などの調査。

  • JILPTの「AIの職場導入による働き方への影響等に関する調査」(2025年)によると、AI利用者のうち、AIの利用前後で「仕事の楽しさ」や「仕事を通じて感じる活力」が高まったと答えた人の割合は、否定する人の割合を上回った。
  • JILPTの「キャリアコンサルティングの有用度及びニーズに関する調査」(2025年)によると、相談によってキャリアや職業生活が「変化した」という回答は、「公的機関」より「民間の人材サービス機関」のほうが多い。
  • 内閣府男女共同参画局の調査(2025年)によると、育児休業を取る前に将来のキャリアプランを持っていた人は、復帰後の仕事へのモチベーションや生活全体への満足度が高い傾向にある。
  • 「令和6年 高年齢者雇用状況等報告」によると、従業員21人以上の企業の99.9%が、65歳までの雇用確保措置を実施済みである。
  • 「令和7年版 自殺対策白書」によると、G7各国の自殺死亡率は、日本が最も高い。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

多様な特性への支援

過去問で問われた、支援の考え方。

  • ひっかけそれは性的指向です(2級技能検定 第36回)。性自認は、自分の性をどう認識しているかをいいます。
  • セクシュアル・マイノリティの相談者を支援するときは、キャリアコンサルタント自身が持つバイアスの可能性を自覚し、性に対する自分の価値観を認識しておくことが望まれる。
  • ひっかけ第30回で不適切とされた記述です。その人が目標を定めて達成できるよう、本人の資源や独自性に目を向けて支援します。

白書・調査・報告書の1問1答を解く

モヤン(黄色い帽子をかぶった雲。学び直し中の相棒) モヤン

ひっかけって、どんなふうに出るの?

サニー先生(丸眼鏡のレモンイエローの太陽) サニー先生

「多い・少ない」「高い・低い」を逆にしたり、資料の名前や年を入れ替えたりするよ。数字そのものより、「どちらが多いか」「増えたか減ったか」で覚えるのがコツなんだ。

情報確認日: 2026-10-02 / 出典: キャリアコンサルティング協議会・日本キャリア開発協会「キャリアコンサルタント試験 学科試験」(第30回・第31回・第32回)、キャリアコンサルティング協議会「2級キャリアコンサルティング技能検定 学科試験」(第35回・第36回)の問題と正答、および厚生労働省の公表資料。過去問の本文は転載せず、正答から確かめられる内容を言い換えてまとめています。

第33回(11月1日)を受ける方へ試験まで30日の逆算プラン