サニー先生、小学生モヤン、ロジャーズさんが静かにお弁当を囲んでいる

きょうのお客さま

ロジャーズさんと
お弁当

聴いてもらうと、どうして楽になるの?
おはなしを読む ⌄

心は天気。晴れの日も、雨の日も。

その空をじっと見つめ、よりそう。

今日は、モヤンの「うまく話せなかった」から始まります。

このお話は、学説と史実にもとづく創作の会話です。
試験で使う正式な表現は、各用語の「試験のことば」で確認してね。

おべんとうの時間 1

アドバイスしたのに、嫌がられた。

ロジャーズさん……こんにちは、モヤン。あわてなくていいよ。お弁当を食べながら、ゆっくりでいい。
モヤンあのね……友だちが落ちこんでたから、「こうすればいいよ!」っていっぱいアドバイスしたんだ。なのに、なんだか嫌がられちゃって……。
ロジャーズさんそうか。……よかれと思って伝えたのに、嫌がられてしまって、モヤンはとまどっているんだね。
モヤンそう、そうなんだ! ……あれ? ロジャーズさん、いま、ぼくの気持ちをそのまま言ってくれたね。なんだか、少し楽になった。
サニー先生いまのが、ロジャーズさんの考え方そのものだよ。答えを外から与えるより、その人が自分の力で答えを見つけられるように、まず深く聴く。相談に来た人を中心に置くから「来談者中心療法」と呼ばれているんだ。

気になる言葉を見つけたら、押してみよう。

おべんとうの時間 2

聴く人の、3つの心がまえ。

モヤン深く聴くのに、コツはあるの?
ロジャーズさんコツというより、聴く側の「あり方」だね。わたしは3つ大事にしている。1つめは ——聴いている自分自身が、心の中とうわべにずれのない、ありのままでいること。
ロジャーズさん2つめは ——「いい話をしたら受け入れる」ではなく、条件をつけずに、その人まるごとを大切に受けとめること。3つめは ——その人の世界を、まるで自分のことのように感じ取ろうとすること。
サニー先生この3つは、カウンセラーの3条件として試験にもよく出るよ。「自己一致・無条件の肯定的配慮・共感的理解」——3つセットで覚えようね。
モヤンアドバイスの前に、まず「あり方」なんだ……。ぼく、友だちの話、最後まで聴いてなかったかも。

おべんとうの時間 3

答えは、その人の中にある。

モヤンでも、聴いてるだけで、ほんとうに解決するの?
ロジャーズさん人にはね、もともと自分で育ち、良くなろうとする力が備わっている。わたしはそれを信じているんだ。安心して話せる関係の中でこそ、その力は動きはじめる。
サニー先生だからキャリアの相談でも、コンサルタントが答えを配るのではなくて、相談者が自分の答えに気づいていくのを支えるのが基本なんだね。
モヤンこんど友だちに会ったら、アドバイスの前に、まず聴いてみるよ。……ロジャーズさんみたいに、うん、うんって。

おかわりの時間

ロジャーズさんの、おかわりばなし

ロジャーズさん(1902〜1987)は、若いころ農業を学んでいて、心理学の道に進んだのは回り道のあとでした。そして、カウンセリングの面接を録音して、やりとりを一言一句書き起こして研究した、最初期の人でもあります。「カウンセリングの中で本当は何が起きているのか」を、雰囲気ではなく記録で確かめようとしたのです。晩年は世界の紛争地で対話の場づくりに取り組み、ノーベル平和賞の候補になったともいわれています。

参考: 理論家解説記事。経歴・受賞候補などの史実は一次資料で最終確認のうえ更新予定。

お弁当のあとの遊び

ことばのタネを、ひろって帰ろう。

5問中、好きなところまでで大丈夫。分からなかった問題は、復習バスケットが預かります。

わたしの復習バスケット

雨のしずくも、持って帰ろう。

まだ問題は入っていません。

    バスケットの中身は、この端末の中だけに保存されます。

    きょうのお見送り

    ロジャーズさん……うん。今日のモヤンの話、とてもよく伝わったよ。また、聴かせてね。

    つぎの先生と、ランチする →
    お弁当のお話は、これからひとりずつ増えていくよ。